【注意喚起】upworkを通して探した仕事で詐欺にあった話

ギグエコノミーが注目される近年 upwork という世界的に使われている、日本で言うところのcrowd works のようなアプリを通して受注した仕事で詐欺に遭い、16万円ほど失った体験を注意喚起も兼ねて紹介しておこうと思います。詐欺に盛り込まれていた心理テクニックなども交えて紹介していきます。

因みに upwork 自体は悪いアプリでは無く、安全なものだと予め言っておきます。

仕事の受注まで

upwork では様々な条件で仕事を検索する事ができます。昨今の円安もありドルで報酬を受け取れる仕事をしてみたいとの理由から upwork で仕事を探していました。

日本人であるという条件から日本語への翻訳の仕事や日本語の音声録音の仕事など、日本語ネイティブを対象とした様々な仕事があります。実際に5ドルという少ない報酬でしたが、以前簡単な日本語録音の仕事を受けてみたこともありました。

そんな中、比較的好条件な、英語から日本語への翻訳をしてほしいという仕事が掲載されていたのでそちらにproposal を提出してみました。すると通常 upwork 上でチャットのやり取りができるにも関わらず telegram というコミュニケーションツールを使ってのやり取りを求められました。(この時点で既に怪しむべき)

しかしそこでのやり取りはまず履歴書を見せてほしい、自分達はこういう会社でこのような仕事をしているといった、比較的まともそうなものでした。こちら がその会社だと言うことでサイトも存在していて色々な仕事を仲介しているような会社だという説明でした。

そこで履歴書を提出後、仕事の詳細を説明されました。内容は赤十字が関連しているプロジェクトで、A4サイズで125枚もある画像の文章(形式はよくある論文のような感じ)を日本語に翻訳してほしい、期限は3日間だが+3日くらいまで延長も可能というものでした。1枚につき報酬は発生して、期限は厳しいけれどなかなかの条件ではありましたので受注することに決めました。

仕事の受注時は以下のようなしっかりとしたフォーマットで何枚か契約書への記入を求められました。

本来最初は upwork 経由なのでアプリ外での契約は規約違反でアプリ内の手順で仕事を進めるべきでしたが相手の提案では直接の契約で振り込みも直接行うとの事でした。しかしこれが一番の誤りでした。契約書もしっかりとしていて履歴書も確認して妥当な流れで話が進み、事実直接契約ならマージンも取られないから得だなと言う感情があったことは最も反省すべき点でした。

しかしそんなこんなで、連絡のやり取りをしている相手はややテンション高めで若干英語も不自然な気もしつつも、感じの良いやり取りをしていたので、自分も多少心配はあるけれども海外の仕事の受注はそんなに経験のあるものではないので挑戦の意もあり多少のリスク覚悟で仕事を受ける事にしたという流れでした。

タスクの完了から報酬の支払い連絡まで

あとは実際の仕事である英語の文献を翻訳して日本語にしていくという作業を着々とこなしていき、一週間弱、業後と休日を使ってこれを完成させました。(文献の内容はベトナム戦争を通してアメリカ、ベトナムの歴史を紐解いていくような内容となっていて図らずも良い勉強になってしまった。。。)

完了後は成果物を会社側に送り確認を待つようにという流れでした。

しばらくすると向こうの会社側からは確認後問題なかったので報酬振込用の口座を教えてほしいとの連絡が来ました。

今思えばアメリカの口座を持っていたのでそこに振り込むようにしてもらうという話にすれば流れも色々違ったのかと思いますが、ローカルの口座に向こうから振り込むと言う話だったので日本の口座を伝えました。

すると実在する銀行の名前を使った振り込みの証明のようなものが来たのですが、よく見るとペンディングとなっておりメールによると日本円で5万円弱の両替手数料が発生するといった内容でした。

心理テクニックと詐欺

冷静に考えると両替に5万って高すぎないかという気もしますが実際受け取れる報酬の量からすると10分の1くらいの額だとその際は思ってしまい、高い報酬に対してそのくらいの額なら、という心理状態になっていたことも原因でこちらの額を振り込むことを決めてしまいました。自分がこのような詐欺に騙されるとは全く思っていなかったですが、そこそこ大変な仕事を完成させた達成感も合わさり、当然報酬は支払われるだろう、貰えるものを受け取りたいという感情から手数料の支払いを特に疑いもしませんでした。

これはまさに感応度逓減性(利益または損失の絶対値が大きくなるにつれ、変化への感覚がにぶるという心理)という心理状況だったと思います。自分は不動産なども持っておりこの辺りは常日頃から気をつけていたにも関わらず今回騙されてしまったという事に恐怖を感じます。

振込方法は(これもまた疑うべきでした。。)日本の普通の銀行口座を指定してきており、そこにすぐに振り込むようにというものでした。冷静に考えれば手数料を別途日本の個人の銀行に振り込むというのはかなりおかしな話な気がしますがその際すんなり振り込んでいる事から客観的にみて自分は冷静ではなかったのだと思います。

しかし相手の要求はこれだけではありませんでした。

上記振込終了後しばらくしてまた会社側からメールが来ました。その内容は送金に日本円でさらに11万ほどの手数料がかかるというものでした。

最初の振込は両替の為替手数料、次は海外からの送金手数料、海外との金銭のやり取りの経験が少なかったこともありこの異常な額に対して、自分が受け取るはずの額もそれなりであることからこの程度の値段にはなるものか、という心理状態になっていたと思います。

また最初に5万振り込んでいることもあり、所謂、フット・イン・ザ・ドア (最初に小さい要求を通してしまうと次の大きい要求が通りやすくなるという心理テクニック) というやつですが、11万の支払いへの抵抗が下がっていたという状況でした。

個人的にこのような心理テクニックは好きで、もちろんこの辺りの有名な話はよく知っていたつもりでしたが、いざ自分が騙される立場になるとそれに気付けないという現状を突きつけられました。

詐欺だと気づいた瞬間と詐欺被害にあった際にとるべき行動

そしてこの11万も同じ手順で振り込んでしまったという訳ですが、しばらく経ってさすがにこの額の手数料はおかしいしこれまでの流れも不自然だろうと思い、海外送金の事例などを調べている矢先に、再度メールが送られて来ました。

以下大体日本語に訳して要約するとこんな感じ。

「これであなたの口座への送金が可能となりましたが、セキュリティコード発行に追加の手数料が必要で、それによって今回のクライアント以外からも同様に報酬を受け取れます、またこれらの処理で追加他の企業から$1500の追加報酬も受け取れます。。。The code cost a fee of $2500」

Fuck me, さすがにここで詐欺だなと思い、元々やり取りをしていた窓口のやつに「今そんな金ないから一旦さっき振り込んだ金返してくれたらそれを担保に金借りてこれ払えるよ」という交渉をダメもとで持ちかけましたがやはりダメで、先ほど振り込んだ金は既に使われてしまっているから返せないという反応でした。

一応こちらが詐欺に気づいていないという事にしておいた方が良いかと思い、じゃあ待っといてもらえればどうにか金は用意するよ、という事にして放置する事にはしました。

すぐに詐欺にあった際の対応でググったところ一応振込先の口座の銀行に伝えて止めてもらうようにしたほうがよいとの事だったので連絡したところ振込元の銀行に連絡するように言われ、振り込みもとに連絡したら振込先に連絡してくれとのたらい回しに合いそうだったので色々説明したところ組み戻しという方法がとれるかもしれないからまた明日連絡すると言われました。

しかし組み戻しとは相手側の銀行を通して振込先の口座の名義人の承認を得た上で振込を取り消すという詐欺被害には何の効果もない(しかも組み戻し成功失敗に関わらず880円の手数料発生)というものだったので諦めて警察に連絡する事にしました。

電話を受けると警察の方はすぐに家に向かうとの事で状況説明後数分経って自宅に来てくれました。

しかし話によると予想はしていましたが、実際他にも被害があるかなど色々調査した上でもし可能であれば相手側の口座の差し止めをしてそこにお金が残っていれば他の被害者の人も入れて順次返金されるとの事でした。

それから現在1週間ほど経っていまだに警察からの連絡はありません。。。

ですが、詐欺被害にあった知り合いの話では数ヶ月後諦めていた矢先に返金の連絡が来たという話もあり、一旦気長に待ちながら、今は今回の出来事で「アメリカ-ベトナムの歴史及び現代社会における世界の詐欺とその対応」を学ぶ事ができる実践形式の研修に16万を払ったんだと思い良い経験になったと感じております。

最後に

その後、詐欺被害は雑損として計上できるらしい?等も調べて今年の確定申告に活かそうかとも考えています。。

転んでもタダでは起きたくないので、この経験を文章にして共有することで同様の被害者を増やさないように、との思いでこちら記事にしています。

ギグエコノミーで海外の業者から詐欺に合うという比較的レアケースかもしれませんが、今回の学びのまとめです。

・アプリの規約を破って最初から直接契約はするな

・心理テクニックは知っていても騙される

・telegram等のチャットアプリでのやり取りを持ちかけられたら気をつけろ(こちらは警察の方からも言われました)

このあたりは肝に銘じておきたいです。

そして今回問題になった海外との送金についてですが、妥当な方法としてWise というサービスがあります。こちらを使えば少ない手数料で送金ができ、自分もupworkに登録した際に開設していましたが非常に便利なサービスです。

開設にはいくつかのステップがありましたがすぐにできました。

以下のリンクから開設すると最大75,000 JPYまでの送金に使える手数料無料クーポンもプレゼントされます。(これは詐欺じゃないですガチです。)

https://wise.com/invite/u/tsukasam37

是非今後同様の被害に遭わないようにこちらのサービスの使用も検討してみて下さい !

参考